「僕の見た「大日本帝国」」西牟田 靖

僕の見た「大日本帝国」
【私の評価】★★★☆☆(73点)


■「大英帝国」という言葉があったように、
 「大日本帝国」という言葉がありました。

 大日本帝国とは、日本、台湾、朝鮮半島、サハリンの南半分、
 そして太平洋の島々からなる国家です。


 ・戦前のアジア太平洋地域の地図を見ると、日本の領土が現在より
  ずいぶん広いことに気がつく。朝鮮半島や台湾、サハリンの南半分、
  そして太平洋の赤道のあたりまでが日本領となっているのだ。(p17)


■著者の西牟田さんは、この「大日本帝国」の地図を見て、
 これらの日本領であった国々を旅してみようと決心しました。

 短期間の旅で、現地の実際の姿を知ることはできないでしょうが、
 現地に行かないよりは、より現実に近づけるはずです。


■南の島には、日本へのアメリカ侵攻を防ぐために、
 少ない武器で、玉砕していった人たちの名残がありました。

 日本の国のために自分の命を捧げた人たちがいた
 という事実を私たちは知らなくてはなりません。


 ・(ペリュリュー)神社には敵将ミニッツ提督の言葉の彫られた碑もあった。
  「この島を訪れるすべての国の人よ。この島を守った日本軍将兵が、
  いかに勇敢に祖国愛に燃えて戦い、玉砕したかを語り伝えよ」(p354)


■最近、沖縄で集団自決を日本軍が強制したという記述が
 教科書から削除されて問題になりましたが、
 気持ちはわからないではありませんが、
 日本軍がすべて悪いというのは、現実とは違うように感じました。


 ・そのころの日本人はアメリカ人など見たことがない人が多かったし、
  捕まったら殺されると思っていたのは仕方のないことなのかもしれない
  (その後終戦直前にソ連軍がなだれ込んできた満州では現実に地獄絵図が
  繰り広げられたのだ)。(p380)


■戦前は、日本の軍事力をちゃんと把握していませんでしたが、
 今は、愛国心の大切さをちゃんと把握していないように感じます。

 反日・愛国などということではなく、
 日本の歴史と、日本を考えるために良い本だと思いましたので、
 ★3つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「特攻隊の人たちは精神が純粋で『お国のために』と思っていましたから、
  任務を疑問に思っている人は見かけませんでした」(台湾の鄭さん)


 ・満州から来た日本兵に、食いものと女持ってこい、と怒鳴られたこと
  もありましたよ。・・・日本は戦争に負けてしまったが、日本が戦った
  からこそアジアが列強から解放されたとう側面もあったんだよ。
  (韓国の張さん)(p172)


 ・グアムを除く島々は二十世紀の前半、南洋群島と呼ばれ、
  三十年ほどの間、日本に統治されていた。ドイツ領だった
  ミクロネシアを日本が無血占領したのは1914年(大正3年)、
  第一次大戦中のことだった。(p331)


▼引用は、この本からです。

僕の見た「大日本帝国」
西牟田靖
情報センター出版局
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おすすめ度の平均: 4.5
5 好奇心を大事にする
2 ただの旅行記。
5 等身大のアジアがそこにある!
1 旅行記としては★5つ
5 等身大の個人としての戦争体験理解を共有できる本

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者紹介・・・西牟田 靖(にしむた やすし)

 1970年生まれ。8か月会社員として勤め、
 地球一周の船旅に出て、ライターとなる。
 タリバン支配下のアフガニスタン侵入、
 空爆停止直後のユーゴスラビア突入など
 挑戦的な旅を続ける。

─────────────────

■関連書評■
a. 「台湾人と日本精神」蔡 焜燦、小学館
【私の評価】★★★★★

b. 「梅干と日本刀」樋口 清之、祥伝社
【私の評価】★★★★★


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