■検察出身の著者が見た
日本の法律とはどのようなものなのでしょうか。
まず、著者が取り上げるのは、( 談合 )の取り締まりです。
確かに談合は時代に合わないものです。
けれども、談合にも良い面があったから行われてきたのであり、
公共事業の発注の仕組みを残したままで
談合だけを悪者にしても、安く良い公共事業が行われるとは限りません。
・マスコミの報道は、「談合は独禁法違反だから駄目だ」・・・
という単純なものばかりです。・・・独禁法を遵守しているかどうか
だけを絶対的な基準にする報道姿勢が、社会の風潮を法令遵守至上主義に
してしまっているひとつの原因です。(p114)
■また、ライブドア事件、村上ファンド事件、
耐震強度偽装事件などについても
法律に違反したかどうかが問題となっているだけで、
適性な決算、建物の安全性確保など
事件の本質が報道されていない実体があるようです。
■法律が実体に合わなくなっているにもかかわらず、
今もマスコミは法律さえ守っていれば良い、
違法は悪、といった報道が行われています。
その背景には、官庁が自分の責任を回避するために、
記者クラブを通してマスコミをコントロールしている
実態もあるようです。
・記者クラブの存在は、官庁などが公表する情報を、各マスコミが
誤りなく報道することに役立っています。しかし、その反面、報道姿勢が
取材対象である官庁や団体の意向に左右されがちです。
捜査当局を例にあげれば、所属記者が批判的な報道をした場合には、
有形無形の不利益を受けることも珍しくありません。(p119)
■検察官から見ても、現行の法律には
問題が多いことがわかりました。
法律遵守だけでなく、本来の法律の目的を達成する
法律となることを祈って、★2つとします。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・三菱自動車の2回目のリコール隠し事件が発覚し、まさにメディア
・スクラムによるバッシングが吹き荒れていたとき・・・ある記者が、
「車の発火事故があったら警察に電話をして、『三菱ですか』
と聞いて、他の会社だったら電話を切ります」と言っていました。
(p122)
・株券の印刷が間に合わず、売り手が株券の受け渡しが
できないことを見越して、百対一の株式分割を繰り返したのが
今話題の企業である。(p59)
▼引用は、この本からです。
新潮社
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「法令を守ればいい」という思考停止状態に気づくために
法令遵守に疑問を感じたら読む本
「法令遵守」は日本に馴染まない?
法令遵守について
法に滅ぼされる日本【私の評価】★★☆☆☆(69点)
■著者紹介・・・郷原 伸郎(ごうはら のぶお)
1955年生まれ。東京地検特捜部、長野地検次席検事を経て、
2005年から桐蔭横浜大学法科大学院教授、
同コンプライアンス研究センター長。
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■関連書評■
a. 「国家の罠」佐藤 優、新潮社
【私の評価】★★★★★
b. 「裁判のカラクリ」山口 宏、副島 隆彦、講談社
【私の評価】★★★★☆
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