「プリンシプルのない日本」白洲 次郎

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プリンシプルのない日本 (新潮文庫)

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■白洲次郎といえば、戦後処理において吉田茂の片腕として、
 日本国憲法成立などに関係し、
 さらには通商産業省を誕生させ、
 東北電力会長を務めた大物です。


 その生い立ちは変わっていて、大金持ちの子息であり、
 イギリスのケンブリッジ大学へ留学。


 この本は、白洲次郎が雑誌などに
 発表した文書をまとめたものですが、
 その内容は( 日本人への警告 )となっています。


■まず、本人も率直に話す人だったようですが、
 イエスマンがとにかく嫌いだったようです。


 イエスマンは事実を話さずに、
 相手に都合の良い話ばかりするために、
 現実を歪めてしまうという怖さがあります。


 ・終戦直後、私が終戦連絡[中央]事務所に居た時分の印象の一つで、
  いまも頭に残っていることがある。
  それは一番平気で米軍側に立ち向かったのは、
  昔の内務省出身の役人が多かったこと。(p65)


■また、良いことであれば外国に学ぶ、
 問題があれば議論するといった、
 論理的で素直な考え方を推奨しています。


 ・当時日本で外国のことを誉めると評判が悪かったので
  みんな異口同音に、日本が一番、外国に学ぶ処は
  皆無と言ったではないか。
  こういう種類の狭い国粋論と一人よがりの馬鹿さ加減が
  戦争開始に貢献(?)したことは多大であったとも言える。(p98)


■最後に、国際感覚を学ぶ教育の必要性を
 強調しています。


 当時、北欧の国際感覚を激賞しているところは、
 これこそ白洲次郎の国際感覚の良いことを
 証明していると思いました。


 ・将来の日本が生きて行くに大切なことは、・・・
  日本の国の行き方ということを、
  国際的に非常に鋭敏になって考えて行くことだ・・・
  この国際感覚という問題だが、日本は北欧の人みたいに、
  地理的の条件に恵まれてないから、これを養成するには
  やはり勉強するよりほかにしょうがない。(p30)


■白洲次郎の言葉は、戦前・戦後を反省する形となっていますが、
 現在の日本でもそのまま当てはまる警告が含まれているように
 感じました。


 率直に話したほうが、関係は長続きするという警句は
 身にしみました。★4に限りなく近い★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・当時満州にいた日本の高官連は、日本語を上手に話し日本人に
  接近することに努力していた満州人連に話を聞いて、その連中の
  言うことを以って満州大衆の意見とした。結果は全然違っていた。
  ・・・個人関係に於いても、国際関係に於いても永続きする友情は
  双方が腹を打ち開けて話すことである。(p56)


 ・政府が悪い、与党がなってない、反対党が無茶だと批判しはじめれば
  きりがないが、私はまずマスコミの反省を望みたい新聞などの
  一番大切な使命は真相の報道である。・・・たとえば政府与党が
  過半数を制している議会においては、政府与党の提出する法案が
  成立することは当たり前であるということを認めないのか。(p245)


 ・日本人は盛んに、現実を凝視せよ、なんて言うけどね、事実を
  事実と認めて黙って見ているんじゃいけないんだ。議論したければ
  議論すればいいんだ。ところが、痛烈なことを言うと恨むんだね。
  人の前で恥をかかしたって、面子々々・・・(p274)


▼引用は、この本からです。

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)
白洲 次郎
新潮社
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【私の評価】★★★☆☆(79点)




■著者紹介・・・白洲 次郎(しらす じろう)

 1902年生まれ。兵庫県芦屋の実業家の次男として生まれる。
 イギリス・ケンブリッジ大学に留学。帰国後は、英字新聞記者、
 商社などに勤務するが、敗戦を見越して町田市で百姓となる。
 吉田茂に請われて終戦連絡中央事務局参与となり、日本国憲法
 成立に関与。通商産業省を誕生させる。東北電力会長などを
 勤め、1985年逝去。


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