「裁判のカラクリ」山口 宏、副島 隆彦

裁判のカラクリ
【私の評価】★★★☆☆78点


●平成21年から市民が裁判員として裁判の判決に関係するという
 裁判員制度が始まります。

 裁判について勉強してみることにしました。


●裁判では起訴された時点で、有罪・無罪を問わず、
 被告人はとてつもない被害を受けます。

 仮に起訴された場合、
 罪を認めなければ数年間拘留されたり、
 裁判というムダな時間を使うことになります。

 それだけ頑張って無罪を主張しても、有罪率は99パーセント。

 素直に検察の言うことを認めて服役したほうがよいと
 考えるのが普通の人でしょう。

 ・刑事裁判で、裁判所と検察、警察の鉄のトライアングルに逆らって、
  彼らに無用な敵愾心を持たれたら、無罪になる事件も有罪にされて
  しまう。・・・弁護人にとってそんな実態は先刻承知のことだから、
  ひたすらお上の慈悲にすがるがごとく情状を訴える(p158)


●警察もそうした仕組みを熟知していますので、
 罪を認めたほうがすぐに外に出られるよということで、
 被疑者を誘導して供述調書を作成します。

 そして供述調書を作ってサインしてしまえば、
 その時点で供述調書は強力な証拠となるのです。

 ・裁判官は警察の提出した供述調書のほうが真実であると認定して
  しまうのである。ところが、供述調書が、実は警察の作文でしか
  ないことは、刑事裁判を十件も経験した弁護士ならば皆知っている
  ことだ。(p84)


●そうした、警察と検察と裁判官の関係の中に、
 平成21年からは市民が入ってきます。

 検察側としては、無罪判決が続発するのではないかと、
 戦々恐々としているのではないでしょうか?

 ・地裁の裁判官がもっとも恐れるのは、高裁で逆転判決が出される
  ことだ。同じく高裁の裁判官にとって最大の失点は、最高裁から
  審理を差し戻されることなのである。(p88)


●それでも検察側も裁判員制度を推進しているのですから、
 最近、世間しらずの裁判官が増え、
 不思議な判決が出ることに対する危機感があるのかもしれません。

 ・ほとんどの裁判官は、東大法学部を目指して必死に受験勉強に
  取り組んだような人が多い。・・・最近は、世間知らずの裁判官が
  増えて、しばしば「おやっ」と思うような判決に直面する。(p82)


●膨大な数の判決を書き続ける裁判官、無罪判決を恐れる検察、
 膨大な犯罪を立件する警察も大変な仕事だと思いながら、
 自分が無実の罪で起訴されないことを祈って、★3つとしました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・検事と裁判官はお友だち・・・裁判官の新年会や忘年会などには、
  かならず手土産を持って出席するのがベテラン検事の務めだ。(p191)


 ・最初に百万円を着手金として持参すれば、ほとんどの弁護士はやる気を
  起こす。・・・弁護士に解決を依頼することに慣れている人は、
  とくになにもいわなくても五十万~百万円を最初に持ってくる。(p21)


 ・実は明け渡し紛争や債権回収などの多くが、指定暴力団の構成員や
  それに準ずる人たち、またはその配下のチンピラによって処理されて
  きた・・・91年の暴力団新法によってこの分野からヤクザを完全に
  駆逐してしまった。・・・いまや借金は踏み倒し放題となっている。(p124)


▼引用は、この本からです。

裁判のカラクリ
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山口 宏 副島 隆彦
講談社
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5 衝撃を受けた
4 のけぞった

【私の評価】★★★☆☆78点

■著者紹介・・・山口 宏

 1954年生まれ。早稲田大学法学部卒業。弁護士。
 「裁判ゲーム」「裁判の秘密」など著書多数。

■著者紹介・・・副島 隆彦

 1953年生まれ。早稲田大学法学部卒業。
 代ゼミ英語教師を経て、常葉学園大学助教授・評論家。著書多数。

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■関連書評■

a. 「国家の罠」佐藤 優、新潮社
【私の評価】★★★★★
http://1book-day.com/blog/2005/07/19/

b. 「壁を破って進め」堀田力、講談社
【私の評価】★★★☆☆
http://1book-day.com/blog/2005/05/11/


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