「緒方貞子という生き方」黒田 龍彦
2006/11/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
●緒方貞子さんは、1991年から2000年まで
国連難民高等弁務官として務めました。
その期間は、クルド難民、ボスニア、
カンボジア、ルワンダと多くの紛争があり、
難民は増え続けています。
・地球上に1500万人といわれる
難民を援助するUNHCRは、
五千人の職員と120ヵ所を超す現地事務所を抱える。・・・
予算は年間十億ドルにのぼる。(p47)
●そうしたなかで、緒方貞子さんは、
従来の難民の定義を変えて、
自国内のクルド難民への
援助を決定した。
紛争中の地域に入っていって援助を行うなど、
国連のUNHCRの規則や慣例を
変えていきました。
・緒方さんはいくつかの規則や慣例に関して
要求を聞き入れてもらうために座り込みの
ハンガーストライキを行い、
組織に対して"ショック療法"を試みた(p116)
●何より、自分が率先して危険な現場に入ることで、
関係者に難民救済への情熱と決意を
示していたようです。
組織のトップが現場にいることは、士気も上がりますし、
トップが見当違いな判断をすることを
防げるはずです。
・私は現場にいないと気がすまないんです。
そうすることで、
現場感覚を失わないようにもしています。(p89)
●日本ではあまり報道されなかった緒方貞子さんの
偉大さが垣間見れる一冊です。
やや単調でしたので★2つとしますが、
緒方貞子さんについては、
もう少し掘り下げて調べてみたいと思います。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・イラクという国はかなり工業化の進んだ国家で、
水ひとつとっても、浄化設備は整備されている。・・・
つまり、軍事目標である発電所が破壊されると・・・
工業化された社会が原始時代に戻ってしまった。(p65)
・サラエボの人々を救うために、
緒方さんはサラエボに空から
援助物資を届ける決断をした。・・・
空輸手段は初めてであり、停戦の合意なしの
状態の戦闘の真っ只中へ乗り込んでの援助活動は、
従来のUNHCRの常識では
考えられないことだった。(p75)
・同じ地球上で、これだけ多くの紛争が起こり、
たくさんの人が苦しんでいます。そのことに、
国際社会も無関心ではいけません。(p172)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★☆☆☆(66点)
■著者経歴・・・黒田 龍彦
1962年生まれ。大学卒業後、出版社を経て、
ジャーナリストとして国際文化研究を行う。
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