「なにわ商人1500年の知恵」藤本 義一 :83点, 藤本義一
■著者紹介・・・藤本 義一
1933年生まれ。作家。
在学中からラジオドラマの脚本を書き、
1957年「つばくろの歌」で文部大臣賞受賞。
テレビ番組「11PM」で大阪側司会者を務める。
1974年、「鬼の詩」で直木賞を受賞。著書多数。
●大阪といえば商人の町です。
住友、三井、鴻池などの多くの優れた企業が生まれています。
私のなにわ商人の印象は、お上に頼らない、
自分の力で這い上がる地力を持った企業という印象があります。
・クイダオレ人形・・・発案者は“くいだおれ”の初代社長・・・
初代社長の口癖というかモットーは、
- 種牛となるとも牛肉となることなかれ。(p120)
●自分のアイデアで勝負し、勝ち残った企業が多いのでしょう。
そうした商家には、味のある家訓、名言、モットーが
残っているのです。
・アイデアによる金の運用にしても、前もって小規模ながら
試みて、十分に成功率を確かめてから出発したのが
三井八郎右衛門高利ということになる。彼は、江戸で
新しい商法をはじめる前に、すでに大阪の心斎橋筋で
現金掛値なしの商売をやっているのである。(p82)
●読んでいて不思議だったのは、
お金を儲ける方法はあまり書いてないということです。
儲けるのではなく、お金を減らさない知恵が、
発達しているように感じました。
・儲けるための鉄則はなにか。
絶対に損をしないことである。(p250)
●なにわ商人の知恵は、お金とどう付き合っていくかということが、
ポイントです。
ユダヤの知恵に似ているところがあるように感じました。
・金銀こそ世渡りの親なのだ。・・・金、金、金と亡者になれと
いっているのではない。むしろ、金があれば心が豊かになって、
この夢まぼろしの世の中を楽しく渡っていけるといっている
のである。(p203)
●なにわの歴史、そして知恵と名言が満載の一冊でしたので、
★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・いつまでもあると思うな親と金。
ないと思うな運と災難。
・・・これは現在でも古い商家のトイレの男便所に貼ってある。
(p22)
・主(経営者)の目から見て、出世出来ない人間(出世させては
いけない人間)の見方は、次のようになる。・・・
一、なにかというと“苦労”とか“苦労した”という言葉を吐く人間。
ニ、給与面に対して不満を漏らす人間。
三、すぐに疲労した意味の言葉を吐く人間
四、愚痴を口にする人間。・・・(p230)
・自分史・・・人生に残っているのが、
“食欲”と“性欲”だというのは悲しいではないか
と思ってしまう。(p314)
・“-人間、終着駅はないと思いますよ。いつも夢を追って生きて
いたいなら・・・・“(手塚治虫)(p327)
・人間、死ぬまで勉強だっせ。勉強を一日でも怠ってはいけまへんで。
そやけど、如何にも勉強しているというのが、身内にでも、他人
の目にも見えたら、それは嘘だす。誰にもわからんところで
一人で勉強するのが大切ですのや。(六代目笑福亭松鶴師匠)(p328)
▼引用は、この本からです。
「なにわ商人1500年の知恵」藤本 義一、講談社(1994/8)¥740
【私の評価】★★★★☆83点
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