■著者紹介・・・堺屋 太一
1935年生まれ。大学卒業後、通産省入省。
日本万国博覧会、沖縄海洋博、サンシャイン計画を企画、推進。
1978年退官。執筆、講演活動を行っている。
●元通産省の役人であり、日本帝国陸海軍に詳しい堺屋さんだけあって、
組織の硬直化の本質をずばり指摘しています。
腐敗した組織の状態を、『共同体化』と表現しています。
つまり、仲間の利益を優先する集団という意味です。
・共同体化した組織では、構成員の目は内志向となり、共同体内部
だけの多数意見(有力意見)が正義正解になる。敢えて創造性を
発揮するものはいなくなり、たまに現れると異端者として
中枢から外されてしまう。(p64)
●共同体化した組織では、極力競争を排除します。
そのために年功序列や、キャリア制度が発達します。
そのほうがお互い、ギスギスせずに人生をまっとうできるからです。
・旧日本帝国の陸海軍では士官学校や兵学校での卒業成績が、
将軍、提督になるまでついて回るという悪習が生まれた。(p52)
●とにかく組織内で波風を立てなければ出世できますので、
予算は平等、人員配置も文句のでないようにしようとします。
・共同体化した組織では、特定の部局や構成員に不満を
抱かせることを嫌うので、敢えて能力の集中をせず、
全部局に総花的な分散が行われる。(p182)
●このように、大きく古い組織は共同体化しやすいのですが、
それを防ぐには、定期的に組織に揺さぶりをかける必要があります。
著者は、官僚組織については政治家に、そして、大企業においては
社外取締役などにその揺さぶる役割を期待しています。
●大きな目的を達成するために組織ができたはずなのに、
なぜか組織が大きくなると本来の目的を失ってしまう。
そうした組織の問題をこの本を読んで意識することで、
少しでも硬直化した組織に揺さぶりを与えることのできる人が
増えてもらいたいと考えました。
組織の一員ならば、必読の一冊と言うことで
★4つとします。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・無謀な白兵銃剣戦術を推進した辻政信などは、どんどん出世する。
共同体化した組織では、失敗の責任は追及されず、馬力と迎合だけが
評価されるのである。(p60)
・個の優秀さも、組織の共同体化が進むとむしろマイナスに働く。
各部分組織の構成員が有能であればあるほど、その部分組織の
目的だけを追求して譲らないので、総合調整がますます困難に
なるからだ。各課長が全て有能で、上手に理屈をつけ熱心に
要求してくると、どれも削れない。(p67)
・実際、「才ある者は徳がない、徳ある者は才がない」というのは、
人事における不滅の公理である。才があって仕事をすれば必ず
周囲と摩擦を起こして徳望は傷が付く。逆に仕事さえせず
才能を発揮しなければ、大抵の人は「良い人」、
つまり徳人であり得る。(p322)
PHP研究所
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優秀な人を集めた組織が失敗するメカニズム
今まで読まなかったのがもったいなかった
組織には大切な役目がある
素晴らしい!
組織だって・・・『奢れる者は久しからず。盛者必衰の理をあらわす。』【私の評価】★★★★☆85点
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