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「日本よ、こんな中国とつきあえるか?―台湾人医師の直言」林 建良

2006/07/25公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(86点)


要約と感想レビュー

●著者は、奨学生として来日し、
 台湾で学んだ日本と、
 実際に生活して感じた日本に
 大きな格差があることに驚きます。


・私個人は、1987年(昭和62年)四月一日、28歳のとき 初めて日本に来た。・・・私は台湾の教育で教えられてきた邪悪な民族が果たしてこのような美しい文化を持つことができるのだろうか、と反日教育に疑問を抱くようになった。(p72)


●中国で反日教育が行われていることは
 周知の事実ですが、親日的な台湾でも
 反日教育は行われていたのです。


・私が台湾で教えられた日本人像をひと言で言えば、「残虐かつ残忍な日本人」であり、逆に「平和を愛し、寛容な中国人」という比較だった。日本に来て初めて、それがまったく逆だったことを知った次第だ。(p89)


●台湾でこのような反日教育が行われていながらも、
 これまで台湾が親日的であるのは、
 日本統治時代を過ごした人たちが、
 日本人の本当の姿を家庭で
 伝えてくれたからでしょう。


 しかし、日本の台湾統治時代の世代が
 この世を去れば、台湾も中国のように
 反日となる可能性があります。


 現在、中国共産党は
 「一つの中国」という戦略のもと、
 台湾を統治下に置こうとしているのですから。


・中国は膨張主義の国である。・・・チベット、東トルキスタン(新疆)、内モンゴルなどに人間を意図的に移住させ、侵略の既成事実化を図っている。(p174)


●そのために、中国共産党は親中派の育成、
 マスメディアへの浸透、情報管理、
 プロパガンダなどあらゆる手段を駆使して
 一つの中国という中国共産党の方針を
 既成事実化しようとしています。


・日本には親中派と呼ばれる中国寄りの存在があり、日本を解体しようとする勢力がある。この状況は台湾とよく似ている。台湾にも親中派が存在し、台湾を解体して中国と統一しようとする勢力がある。台湾も中国の「トロイの木馬」作戦で日本と同じように苦しんでいる。(p200)


●中国共産党が、日本を
 「軍国主義復活、アジア平和への脅威」などと
 日本人には理解できないような批判をするのも、
 そうした背景が理解できれば納得できるでしょう。


・中国の願望は日本を永久に非武装化し、自国の軍事力拡張計画に対抗できないようにすることである。だからこそ、中国はメディアを駆使し、あるいは国際会議の場において、何度も「アジア諸国は日本の不戦の公約などを決して信用してはいけない。日本は平和への脅威である」と力をこめて説いているのだ。(p250)


●ナチス宣伝相ゲッペルスは
 「嘘も百回言えば本当になる」と言いましたが、
 100回言えば台湾は中国のものになるのです。


 私は、各国が自国の信条に基づき
 工作を行うことを批判する
 つもりはありません。


 問題は、日本人が、アメリカの影響下に
 ある日本を選ぶのか、中国共産党の影響下にある
 日本を選ぶのかということです。


・(台湾の)中国人は麻薬、拳銃、強盗、殺人と、あらゆる犯罪の請負人になっており、売春婦にいたってはほとんどが中国人に独占されているのが現状だからだ。(p176)

●カザフスタンは旧ソ連の支配下にありましたが、
 共産主義ということで、
 生活は不幸だったようです。


 日本はアメリカの支配下に入りましたが、
 賛否はあるでしょうが、
 先進国の仲間入りを果たしています。
 幸い自由もあります。


 では中国はどうかと言えば、
 中国人でさえ、中国共産党を
 望んでいないようです。


・中国の知識人から一般庶民に至るまで、人生最大の目標の一つは国を出ることなのだ。国を捨てることなのである。中国人にとって、中国というところはほとんど未来のない居場所で、とにかく中国を捨てて出たいのである。(p28)


●台湾で育ち、日本で学んだ著者だから
 分かることがあると思います。


 中国という国の一面を理解するために
 良い本だと思います。
 ★4つとしました。


この本で私が共感した名言

・臓器移植には最初から最後まで中国政府が深くからんでいる。・・・移植手術をおこなっている中国の病院のほとんどが人民解放軍や政府機関の病院、あるいは関係病院である。(p37)


・なぜ中国人民解放軍を「核兵器を持つ暴力団」と呼ぶか?・・・人民解放軍は民兵組織まで入れると、1000万人を超える巨大組織である。軍が直接経営する企業は二万社にも及び、ほぼすべての分野のビジネスに進出している。・・・日本や台湾で拳銃の密輸(p61)


・われわれ戦後世代の台湾人は学校で、非常に残酷で、狡猾、狭量というような日本人像を学んだ。「狡猾、狭量」に関して言えば、日本は世界中あちこち進出して工場を建てているが、技術の核心的な部分は絶対に教えないで隠すと教えられた。(p74)


・中国より先んじて先進国の仲間入りを果たした日本の存在自体を許せないと考えるのが中国なのである。だから、中国の反日意識は日中戦争とは関係ないと私は見ている。(p142)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★★☆(86点)



著者経歴

 林 建良・・・1958年台湾生まれ。1987年交流協会奨学生として来日。東京大学医学部博士課程を修了。栃木県で医療に携わる傍ら、世界台湾同郷会副会長、台湾団結連盟日本代表。


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