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「「将」の器「補佐役」の器―部長として、課長として、係長としての参謀学」井原 隆一

2006/06/28公開 更新
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「将」の器「補佐役」の器―部長として、課長として、係長としての参謀学


【私の評価】★★★★☆(86点)


要約と感想レビュー

日本の会社は、係長、主任、副長が動かしているといわれますが、そうした補佐役の心構えを示した一冊です。日本では終身雇用ということで、長期間にわたって緊密な関係が続きます。能力があっても、人の恨みを買ったり、妬みといったものを避ける必要があるのです。だから真の補佐役というものは、功を私しようとせず、手柄を部下か上司にゆずるものだという。


補佐役は、上司と一体化しなくてはならないというのが、井原氏の考えです。そして、一体化しながら、無私の心が必要となります。あくまで責任は上司にあり、正しい現実を伝え、選ぶべき選択肢を示し、あるべき選択を提言するのです。


・第二の会社に移る際、副社長(補佐役)としての任務を果たすためにはどうあるべきかを考えてみた。・・・手帳に「自分を捨てきれない者は会社を捨てるか自分が捨てられる」と書いたのもそのころである。(p5)


井原氏の著作は、すべて自分の経験がベースとなっています。例えば役員になったときには、「役員になったら、あくせくするな。平素は昼行灯でいるがよい。そのかわり一朝あるときは命をなげ出せ」といわれたという。


経験したいこと以外は書かないという信念があるようです。さらに、故事からの引用が、著作に重量感を持たせています。他の井原隆一氏の著作と重なるところはありますが、価値ある内容に変わりはありません。★4つとしました。


この本で私が共感した名言

・昔から上に立つ者の身辺を濁らしてしまうものは、酒、女、かね、物で、男の邪欲といえるだろう。したがって、これらの欲を抑えた者は残り、溺れた者は亡びている。(p152)


・辞任・・・「私としては収入の道を失うよりも、退任の時を失うほうが恐ろしい」と話したこともある。(p160)


▼引用は、この本からです。
「将」の器「補佐役」の器―部長として、課長として、係長としての参謀学
井原 隆一
大和出版
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【私の評価】★★★★☆(86点)


著者経歴

井原 隆一(いはら りゅういち)・・・1910年生まれ。14歳で埼玉銀行に入行。20歳で父親の莫大な借金を背負い、銀行から帰ると家業をこなし、寝る間も惜しんで借金完済。その間、並はずれた向学心から独学で法律、経済、経営、宗教、歴史を修めた。最年少で課長に抜擢される。証券課長時代にはスターリン暴落を予測し、直前に保有株式証券をすべて整理。 経理部長時代には日本で初めてコンピューターによるオンラインを導入する。各部長、常務、専務を歴任。1970年、大赤字と労働争議で危地に陥った日本光電工業に入り、独自の再建策を打ち出し短期間に大幅黒字無借金の超優良会社に甦らせる。その後も数々の企業再建に尽力。名経営者としての評判が高い。2009年2月、老衰のため自宅にて逝去、99歳


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