「日本人を冒険する」呉 善花

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日本人を冒険する―あいまいさのミステリー
呉 善花
三交社
売り上げランキング: 579532

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)


●長年、日本で生活してきた韓国人である著者によれば、
 外から見た日本と、内側から見た日本に微妙な、かつ本質的な
 ギャップがあるといいます。

 それは自己主張の方法、つまりコミュニケーションの手法です。


 ・日本人の場合、口ではなくほかの方法で自己主張をし、
  それを感じ取って相手を理解する、というコミュニケーション文化が
  確かにあるようです。・・・自己主張のあり方が独特なだけの話です。
  この点で、私たち外国人は日本人を大きく誤解し、
  それだけ見くびってしまいがちです。(p74)


●著者の分析によれば、
 それは以心伝心のできる、信頼が構築された社会(日本)と、
 他人が信頼できない社会との差であるとしています。


 ・韓国人や中国人は逆に、血縁以外の他社は容易に信じられない相手です。
  だからこそ、「けっして裏切らない」ことを見せ合うために、
  内面の悩みを話すなどして、より強い結びつきをつくろうとします。(p59)


●とはいえ、ここまで日本が経済大国化すると、
 外交においては、コミュニケーションや文化の差が、
 お互いの不信と誤解を大きくしてしまう可能性があります。

 著者の意見としては、武力を用いない、経済力を利用した
 日本なりの外交があるはずであるとしています。


 ・あちらのケンカ腰に対して、こちらもケンカ腰で向かったら、
  それこそどうしようもない対立となる、というように日本人は
  考えていると思います。しかし、それはまったくの間違いです。
  相手が厳然たる態度をとらなければ、とらないだけより強固な
  押し込みがこちらから可能だと考えるのが、一般的な「夷」
  の世界です。(p191)


●竹島問題、靖国問題などでは、友好を前提に考え、冷静な対応を
 とっていくことになるでしょうが、日本になら、どのような要求をしても、
 大丈夫という誤解だけは避けなくてはならないでしょう。

 個人的には、中国と韓国の株式を含んだアジア株式の投資信託を、
 4割程度の値上がりしていることもありましたが、
 これを機会に売却しました。


 ・欧米諸国は、一国の国益をあたかも世界益であるかのように
  普遍化して主張してきます。・・・これが現在の世界での
  ホンネとタテマエの国際標準だと言えますが、日本はどうも
  そういうことができないようです。(p201)


●「彼を知り己れを知れば、百戦してあやうからず」という言葉がありますが、
 まさに中国人・韓国人を知り、己を知ることができる一冊です。
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・とにかく相手しだい、相手に合わせる、というのが、どうやら
  日本人の場合の第一前提のようです・・・ようするに、
  相手に面倒をかけるようになるこをと極力避けようとして、結局
  「なんでもいいです」となってしまう。(p37)


 ・欧米人・中国人・韓国人のほうが外国人に対してオープンだ、
  温かい、親しもうとすると言っても、いざとなると冷たい態度を
  とることが多いものです。そういうタイプとして言えば、
  日本人はその逆の人が多い。(p178)


日本人を冒険する―あいまいさのミステリー
呉 善花
三交社
売り上げランキング: 579532
おすすめ度の平均: 5.0
5 注目すべき日本人論
5 日本人の本質を変えないまま、世界に日本をどうアピールするのか
4 鮮烈なインスピレイション
5 「日本モデル」の必要性を説く好著

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)


■著者紹介・・・呉 善花

 1956年韓国・済州等生まれ。韓国女子軍事体験をもつ。
 1983年来日し、大東文化大学入学。東京外国語大学大学院修士課程修了。
 現在、拓殖大学日本文化研究所客員教授。著書多数。


■関連書籍

 ・台湾人と日本精神
 ・「私はいかにして「日本信徒」となったか」呉 善花、PHP研究所
 ・「日本人 中国人 韓国人」金文学、白帝社
 ・「韓国人につけるクスリ」中岡 龍馬、オークラ出版
 ・「スカートの風」呉 善花(お そんふぁ)角川書店


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