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「わが朝鮮総連の罪と罰」韓 光熙

2006/03/27公開 更新
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わが朝鮮総連の罪と罰 (文春文庫)

【私の評価】★★★★☆(86点)


●朝鮮総連の幹部であり、
 対日工作にも関係著者が、
 自分の活動を赤裸々に語った一冊です。


 著者は、青年同盟において、
 中央本部の指示に従い、
 多くの同胞を北朝鮮に送り込み、
 出世していきます。


 ・私は活動家としての成績を上げるため、
  自分を騙した。自分を騙してあの国を
  楽園と信じ込ませ、
  実際信じたつもりになった自分が
  今度は同胞を騙した。
  私を信じた同胞たちは北朝鮮に帰って行った。(p64)


●そして積極的な活動が認められ、
 学習組、つまり朝鮮労働党の
 在日非公認組織に推薦されます。


 その後、彼は、工作員の育成、
 工作員の上陸ポイント作り、
 資金集め、北朝鮮への送金など
 工作活動に関わります。


 ・北朝鮮の工作員が上陸する侵入ポイントは、
  現在、日本国内におそらく100ヵ所以上
  あるものと推測される。
  そのうち60年代の後半から三年か四年かけて
  私がつくった場所が、北海道から鹿児島まで
  全部で38ヶ所ある。(図)(p105)


●みなさん、思い出してみましょう。


 1997年    朝銀大阪が破綻3100億円の公的資金を受け再開
 1998年    北朝鮮テポドン発射
 2001年12月 北朝鮮の工作船が自爆し、沈没
 2002年 4月 本書「わが朝鮮総連の罪と罰」出版
 2002年 9月 日朝首脳会談。北朝鮮が日本人拉致を認める
 2002年12月 朝銀受け皿ハナ信組に4000億円の公的資金投入決定
 (朝銀には総額1兆円以上の公的資金が投入されています)


●北朝鮮に大量の資金を送金していることが
 明らかな朝銀に対し、1兆円以上の公的資金が
 投入されるというのは不自然ではないでしょうか。


 どうやら政治家を含めて、北朝鮮の謀略工作が
 うまくいっているためのようです。


 ・許宗萬は総連の外交部門である国際局の出身で、
  日本の政治家たちとさかんに交際していた。
  はじめのころは社会党の田辺誠、それから
  自民党の金丸信、後には自民党の野中広務や
  山崎拓、加藤紘一らと
  とくに親しくしていた(p197)


●先日、拉致事件関係で、
 朝鮮総連傘下の在日本朝鮮大阪府商工会などの
 家宅捜索が行われました。


 北朝鮮に弱みを握られている
 政治家の力が弱くなってきたのかもしれません。


 ・この朝鮮石材を一つの頂点として、
  日本国内での謀略活動をおこなう
  非公然組織がつくられていた。(p99)


●中国へのODA3兆円など低利の借金ですから、
 かわいいものです。


 朝銀に投入された総額1兆円以上の公的資金は、
 将来にわたって記憶されるでしょう。


●テレビ、新聞ではなかなか報道できない、
 北朝鮮の活動の一端を知り、
 日本の政治を考えるきっかけになる一冊です。


 たった600円です。★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「民族差別だ!」・・・
  これは我々朝鮮総連の悪い癖である。
  日本の当局と交渉するにあたっては、
  何かにつけて「民族差別」だの
  「過去の歴史」だのを持ち出してことさら
  猛々しく振る舞い、
  理不尽な要求でものものませようとする。・・・
  この方法はたいていうまくいった。(p62)


 ・北朝鮮の工作員が上陸してくるのは、
  たいてい、午後の9時から10時ころだった・・
  そして足元に落ちている小石を拾い上げ、
  カチカチ、と定められている
  暗号の回数だけ鳴らす。(p111)


わが朝鮮総連の罪と罰 (文春文庫)
韓 光煕 野村 旗守
文藝春秋
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おすすめ度の平均: 4.0
5 日本の対応を考えさせられる
4 朝鮮総連元幹部による懺悔の念の内部告発
3 2003年、私たちは済州島」4.3事件55周年をむかえます。
5 朝鮮総連の真の姿
5 元総連の大幹部の波瀾の人生と苦い悔恨のうめき

【私の評価】★★★★☆(86点)



■著者経歴・・・韓 光熙(ハン・グァンヒ)

 1941年東京生まれ。高校卒業後、
 朝鮮総連栃木県本部下都賀支部に入り、
 青年同盟などを経て、中央本部財務局長を務める。
 1999年朝鮮総連から離脱。


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