小学館 (1999/09)
売り上げランキング: 10,250

最後の相場師と呼ばれた男の生涯
人としての生き方を教えてくれる本
株を多少でもかじっているものにとっては必読(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)
●著者紹介・・・是川 銀蔵
1897年生まれ。高等小学校卒業後、神戸の貿易商に奉公。
その後、様々な商売で大儲け、倒産などを経験し、株式取引の
世界に入る。幾多の仕手戦で有名となる。1992年に95歳で死去。
●波乱万丈という言葉がありますが、この人のために
あるのではないかと思いました。
●十六歳で中国へ渡り、日本軍の御用商人となるが、贈賄容疑で逮捕される。
十八歳で銅インゴットの輸出で大儲けするが、破産する。
二十一歳で亜鉛メッキ工場を経営するも、結核となる。
関東大震災でトタン板を買占め大儲けするが、大恐慌で会社が倒産。
第二次世界大戦を予期し、朝鮮で製鉄所を設立。
●戦後は、
トタン板の再生で儲けた資金で、米の二毛作を研究する。
所得倍増計画で、土地の暴騰を予測し、大儲け。
同和鉱業株で買い占めるが売り時を誤り、儲けそこなう。
その他数々の株の仕手戦。
●著者の金儲けのパターンは、経済情勢を徹底的に分析し、
納得したうえで、株や資材を買い占めるというものです。
すばやく行動できる決断力が、大きな利益を可能としていたようです。
・関東大震災でトタン板を買い集め大儲けしたときもそうだった。
人が気づかぬところにいかに目をくばり、人が気づく前にどれだけ
早く行動しているか。買って、売って、休む。これが商売で
成功する三筋道なのだ。(p188)
●こうした分析能力は、才能というよりも、『努力』により得られた
ものです。ひたすら経済データを収集し、文献を読み漁り、
自分の考え方を構築しています。
・もちろん、現在も国際経済の分析を自分でやっている。毎朝八時には
各証券会社から外電が入ってくる。・・・九十歳を過ぎたいまも、
電話で外電の内容を受けそれを自分でノートにとっている。(p131)
●一方で、多くの商売を立ち上げて、大儲けをしていますが、
最後には倒産する場合が多かった。
これは、商売を立ち上げる才覚と、
商売を安定的に続けていくという能力が異なるからでしょう。
●これだけ刺激的な人生を読んだことはありませんでした。
面白い一冊です。★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「うちのお父さんはどんな境涯に陥っても、必ず何年か後に頭を
上げてきます」だから、私は明日、食うもんがないようになっても
ちっとも心配しません、信じていますから、と、そういう女だった
のである。(p106)
・家族は芋粥と残りものの魚しか食えない貧乏生活をしながらも、
貧しい人を見たら、お金がなくても商売の魚を持って帰らせる
ような優しく、あったかい父。・・・父は偉いなあ、と尊敬
させらえたことを幼心にも身にしみて憶えている。(p308)
・当時、朝鮮に進出していた日本の会社は、どんなに学歴や才能が
あっても日本人と朝鮮人の社員との間で、給与や職歴で差を
つけていた。(p170)
「相場師一代」是川 銀蔵、小学館(1999/9) ¥630
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)
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