文藝春秋 (2005/05/27)
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教科書的にアジア経済情勢を解説(私の評価:★★★☆☆:社会人として読むべき一冊です)
●著者紹介・・・榊原 英資
1941年生まれ。大学卒業後、大蔵省に入省。97~99年財務官。
「ミスター円」の異名をとる。慶応義塾大学教授。
●カザフスタンのバザールに行くと、商品のほとんどは中国製です。
服、靴、家電製品、雑貨・・・何でもあります。
スリッパが一日で壊れるなど、安かろう悪かろうですが、
とりあえず作る能力があるというのは、すごいと思います。
これで品質が良くなれば・・・もっと成長するに違いありません。
・確かに中国経済は、過剰投資により一部がバブル化していますが、
大事なのはバブルが弾けても成長は続くということなのです。
(p54)
●一方、日本に目を向ければ、借金は増え続けるばかりであり、
このままでは国家財政の破綻は確実です。
・問題は「日本経済は政府の財政赤字を今後も支えていけるか」では
なくて、「支えきれなくなるときがいつ来るか」ということ
なのです。(p152)
・市場関係者の間では「国債はいずれ暴落する」と四、五年前から
言われて、外資系金融機関などが相当な額の国債を売り浴びせている
のですが、そのたびに農林中金や日本生命といった国内の金融機関が
買いに回って、国債市場を支えてきたのです。(p138)
●国の借金は国債の個人販売を開始した頃に、すでに限界にきており、
もはや増税や年金・医療保険の減額などを実施しなくてはならない
最後の時期に来ているのではないでしょうか。
・どうしても年金と医療と福祉、介護の部分にメスを入れないと、
日本の財政問題は解決しないのです。(p165)
●しかし、唯一納得できないのは、このままでは日本の破綻は
確実であると予想しているのに、著者は国債を勧めているという点です。
国債が売れなければ、即、破綻ですから、
財務官まで勤めた立場としては国債を買わないでくださいとは
言えないのでしょう。
・個人のみなさんの場合、国債を買ってずっと持っていれば
問題ありません。(p214)
●たぶん、榊原さんの心の内は、『私は財務省の人間ですので、
このようにしか書けませんが、私の真意は、読者の方が想像してください』
ということなのかもしれません。
●財務省が、世界と日本の経済、政治の勢力図をどのように見ているのか
垣間見ることのできる本として★3つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・中国の人民銀行の幹部がこう挨拶したのです。
「これからはロシアと中央アジアがわれわれにとって大事である」(p6)
・実際、多くのアジア中央銀行は、アメリカの借金である財務省証券
を売って、ユーロにシフトしています・・・(p129)
・私はこれからの時代を生き抜くためのもっとも効率のよい
投資は、「教育」であると思っています。(p219)
・私がお答えするとしたら、「私立でも公立でもなく、外国へ
出しなさい」ということです。(p222)
「経済の世界勢力図」榊原 英資、文藝春秋、(2005/5)¥1,365
(私の評価:★★★☆☆:社会人として読むべき一冊です)
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