「経済の世界勢力図」榊原 英資、文藝春秋、(2005/5)

経済の世界勢力図
経済の世界勢力図
posted with amazlet on 06.05.09
榊原 英資
文藝春秋 (2005/05/27)
売り上げランキング: 7,094
おすすめ度の平均: 4
4 教科書的にアジア経済情勢を解説

(私の評価:★★★☆☆:社会人として読むべき一冊です)


●著者紹介・・・榊原 英資

 1941年生まれ。大学卒業後、大蔵省に入省。97~99年財務官。
 「ミスター円」の異名をとる。慶応義塾大学教授。


●カザフスタンのバザールに行くと、商品のほとんどは中国製です。
 服、靴、家電製品、雑貨・・・何でもあります。

 スリッパが一日で壊れるなど、安かろう悪かろうですが、
 とりあえず作る能力があるというのは、すごいと思います。

 これで品質が良くなれば・・・もっと成長するに違いありません。

 ・確かに中国経済は、過剰投資により一部がバブル化していますが、
  大事なのはバブルが弾けても成長は続くということなのです。
  (p54)


●一方、日本に目を向ければ、借金は増え続けるばかりであり、
 このままでは国家財政の破綻は確実です。

 ・問題は「日本経済は政府の財政赤字を今後も支えていけるか」では
  なくて、「支えきれなくなるときがいつ来るか」ということ
  なのです。(p152)

 ・市場関係者の間では「国債はいずれ暴落する」と四、五年前から
  言われて、外資系金融機関などが相当な額の国債を売り浴びせている
  のですが、そのたびに農林中金や日本生命といった国内の金融機関が
  買いに回って、国債市場を支えてきたのです。(p138)


●国の借金は国債の個人販売を開始した頃に、すでに限界にきており、
 もはや増税や年金・医療保険の減額などを実施しなくてはならない
 最後の時期に来ているのではないでしょうか。

 ・どうしても年金と医療と福祉、介護の部分にメスを入れないと、
  日本の財政問題は解決しないのです。(p165)


●しかし、唯一納得できないのは、このままでは日本の破綻は
 確実であると予想しているのに、著者は国債を勧めているという点です。

 国債が売れなければ、即、破綻ですから、
 財務官まで勤めた立場としては国債を買わないでくださいとは
 言えないのでしょう。

 ・個人のみなさんの場合、国債を買ってずっと持っていれば
  問題ありません。(p214)


●たぶん、榊原さんの心の内は、『私は財務省の人間ですので、
 このようにしか書けませんが、私の真意は、読者の方が想像してください』
 ということなのかもしれません。


●財務省が、世界と日本の経済、政治の勢力図をどのように見ているのか
 垣間見ることのできる本として★3つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・中国の人民銀行の幹部がこう挨拶したのです。
  「これからはロシアと中央アジアがわれわれにとって大事である」(p6)


 ・実際、多くのアジア中央銀行は、アメリカの借金である財務省証券
  を売って、ユーロにシフトしています・・・(p129)


 ・私はこれからの時代を生き抜くためのもっとも効率のよい
  投資は、「教育」であると思っています。(p219)


 ・私がお答えするとしたら、「私立でも公立でもなく、外国へ
  出しなさい」ということです。(p222)


「経済の世界勢力図」
榊原 英資、文藝春秋、(2005/5)¥1,365
(私の評価:★★★☆☆:社会人として読むべき一冊です)


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このページは、本のソムリエが2005年12月19日 15:15に書いたブログ記事です。

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