「りんごは赤じゃない」山本 美芽

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りんごは赤じゃない―正しいプライドの育て方
山本 美芽
新潮社 (2005/06)
売り上げランキング: 5,002
おすすめ度の平均: 4.8
5 かつて生徒だった全ての大人たちへ
5 地道な実践の記録
5 新任教師に差し上げたいものです。


●かつて神奈川県の中学校に、
 美術のコンクールで入賞者を大量排出した
 太田さんという教師がいました。


 しかも、生徒が荒れているような中学校でしたが、
 美術の授業だけは、
 生徒が姿勢を正して集中して授業を受けていたそうです。


 ・太田は「ふざけ半分」の態度を、絶対に許さない。
  そのような態度が見られるあいだは、授業をしないし、
  大事なことも話さない。(p24)


●授業では、草をスケッチするならば、外に出てよく観察させる。


 「草の気持ちになってみて」とアドバイスする。


 そうした授業の中から、子どもは草と対話をして、
 考えていったそうです。


 ・草が一本一本すべて違うように、人間もひとりひとり違っている。
  みんなだってそうだよね。違うことって、なんて
  すばらしいんだろうね。(p41)


●また、美術なのに「調査研究」を取り入れていました。


 ・・・すばらしい。


 ・何を調べなさい、どこまで調べなさい、先生はそういうことをいっさい
  言いません。それはあなたたちが自己決断することなの。自分が必要
  だと思ったところで決断するのよ。・・・「調査研究」(p57)


●しかし、太田さんは2001年に退職し、
 教育システムの外に道を求めました。


 ・コンクールといった、目に見える形で優れた指導力を残しても、
  教師社会の中で評価してもらえることはなかったのだ。太田は、
  次第に教師社会に絶望感を感じるようになっていた。(p192)


●そういえば社会人校長で、すぐに自殺なさった人もいましたね。


 良いものが淘汰され、外にはじきだされるのであれば、
 教育は学校の外に求めるしかないのかもしれません。


 教育議論は別にして、私も教わりたかったなとおもう美術の授業の
 秘密が書かれた本として★5つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「あなたたちには心がありますね。それと同じように、先生にも、美術室
  にも、心がある。それなのに、その態度は・・・!あなたたちは、美術
  室で待っている先生の心を踏みにじったんですよ」(p19)


 ・生徒がいい加減な態度を見せたときに教師が「だめ、やり直し」と
  命じるのは、よくあることだ。しかし太田はそんなとき「だめ」では
  なく「イヤだ」という。(p22)


 ・二学期、三学期になっても、太田はいつも授業の前には
  顔写真入りの名簿を確認して、子どもの顔と名前がスラスラ
  出てくるように努力する。(p181)


 ・太田は、美術でプロセスに没頭する体験をさせて、結果だけを
  追い求めていては決して到達できない領域まで、
  生徒を踏み込ませるのだ。(p144)


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(私の評価:★★★★★:絶対お薦めです!家宝となるでしょう)91点


●著者紹介・・・山本 美芽(やまもと みめ)

 1971年生まれ。大学卒業後、中学校の臨時教諭、養護学校教諭を
 経て、執筆活動を始める。現在は主に音楽雑誌に寄稿している。


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トラックバックありがとう。これは有用な本でしたね。

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