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「人間における勝負の研究―さわやかに勝ちたい人へ」米長 邦雄

2005/09/29公開 更新
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人間における勝負の研究―さわやかに勝ちたい人へ (ノン・ポシェット)


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

 仕事にしても、マージャンにしても、テニスにしても、その瞬間、瞬間に判断した結果が、現在の自分の状況を作り出していきます。では、その【判断】において大切なことは何かといえば、悪手を選ばないことだと米長さんは言います。つまり、取り返しのつかない失敗をしないということです。


・道を歩いていると、あたり一面がほとんど悪手の山で、その中で最善手かどうかは断定できないが、悪手ではなさそうな細い道がある。そして、いかにして悪手の山に踏み込まずに、正しい道を歩んでいけるか。(p24)


 つまり、こうしておけば大丈夫という方法を知っておく。この範囲で判断すれば大丈夫という安全範囲を持っておくということでしょう。これはマージャンでもテニスでもいえることです。これを打っておけばとりあえず大丈夫というものがないと、本当に疲れてしまいます。


 また、【運】のつかみかたも同じような考え方のようです。つまり【運】を落とさないように、どうでもいいことのように見えることに手を抜かない。たとえば、サラリーマンなら暇な職場に異動になっても、必死に頑張ってみる。そうすると、【運】が落ちないどころか、【運】が上がってくるそうです。


・「では、いったいどうすればその運をつかまえられるか」なわけです。そして、それを一言で言ってしまうと、自分の利害にはたいして影響のない勝負で、必死に頑張ることです。(p33)


 私の39年の経験を振り返っても納得できる内容でした。きっと【人生の選択】の参考となる一冊と思います。5つ★としました。


この本で私が共感した名言

・もし、本当に自分のしたい仕事、するべき仕事があるのなら、会社に行って席についた瞬間から、必死になってそれを始めてしまえばいいのです。すると、その気迫は必ず周囲の人に伝わって、その人には雑事を頼めなくなる。(p42)


・どうしたらカンの狂いが直るか・・・一番いい手当ては、自分のベストの状態の感覚を自分に思い起こさせるというか、自分の目にそういうものを見させてやることです。(p194)


・嫌々やったり、やりたくない者に押しつけると、今、行われている学校教育のようにおかしくなる。子どもがヤル気になって、「ぼくはこういう生き方をする」ということになれば、それを大切にしてやる。(p57)



【私の評価】★★★★★(91点)


目次

1章 さわやか流の勝負観―「確率」「勢い」「運」の三要素をどう考えるか
2章 集中力をどう持続するか―私が自らを鍛えた勉強法
3章 非情に徹する勇気が必要―勝利の女神は、どんな男に微笑むか
4章 ただ勝つだけでいいのか―一流になれるか否かの分かれ道
5章 強者は泥沼で戦う―勝負に勝つ二つの心得、「雑の精神」と「省の精神」
6章 逆転のテクニック―一気に浮上するためには、どう辛抱するか
7章 男らしさとは何か―さわやかさの原点は、他人に"借金"をしないこと



著者経歴

 米長 邦雄(よねなが くにお)・・・1943年(昭和18年)-2012年(平成24年)。将棋棋士。13歳で佐瀬八段に入門。30歳で棋聖獲得。その後、棋王、王位、王将、十段、名人を獲得。永世棋聖。タイトル獲得数19期は歴代6位。永世棋聖の称号を保持し、引退前から名乗る。佐瀬勇次名誉九段門下。趣味は囲碁で囲碁八段(2003年(平成15年)12月、引退。日本将棋連盟会長(2005年(平成17年)-2012年(平成24年))。


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