「お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ」邱 永漢,糸井 重里

お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ

(評価:★★★★☆)88点


●お金をテーマにした糸井重里さんと邱永漢さんの対談です。


●糸井重里さんはライターでありその分野では色々な経験をされて
 いるのでしょうが、邱永漢さんのように色々な国で色々な商売をやって
 いる人と比べると、どうしても格の違いが目に付きました。


●子どもとの付き合い方ということを一つ取ってみても、そこには、
 天と地ほどの差があります。

 ・例えば、うちの息子がアメリカに留学に行くときに・・・サラリーマン
  をやっている親は、毎月仕送りをしますよね。・・・でも私は、一年分
  のお金をあげましたよ。(p27)


 ・子どものむだづかいをおそれて・・・お金であげるのではなく親の判断で
  ものを買ってあげるというのは、たぶん、いちばんいけないことだと思い
  ます。・・・自分で判断させて、何でも経験させないといけない、という
  か・・・(p36)


●邱永漢さんの母親の教えも興味深いものです。一般のサラリーマンのような
 給料日だから・・・という考え方とは違います。「きょうは給料日だから、
 ご馳走よ」などといった日には「俺は毎日働いているんだ!給料日だから
 といって変えないでね!」という感じでしょうか。


 ・「人間は、懐にお金がいくら入っているか、わかるような生活をするな」
  と、子どものときから母親にいわれて育ちましたもんね。・・・月給を
  もらった途端に大酒を飲むような財布の底まで見える生活をするなと
  よくいわれました。(p102)


●人生においてお金との付き合いは避けられません。お金とは何なのか、
 お金で何をするのか、お金さえあればいいのか、など色々考えるために
 絶好の書だと思います。


 ・十七億円の株を持ちながら死んだ人もいるし、どんなに持っていても、
  死ぬまで使わなかったら、持っていなかったのと同じだと思いません
  か。(p214)


●この本の著者は邱永漢さんと糸井重里さんとなっていますが、あまりに知恵の
 格差がありすぎて、糸井重里さんを著者とするのは失礼ではないかと思いまし
 た。ちなみに引用はすべて邱永漢さんのものです。

 邱永漢さんのお金の知恵に目からウロコということで★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・女の子には、あんまり不自由させるとダメなんです。・・・東南アジアの
  金持ちの華僑がいるでしょう?そういう家の息子が嫁さんもらうとき、お金
  に不自由しなかったうちからきたお嫁さんは、欲張らないからいい、と
  いうんです。(p30)


 ・お金が汚いという考え方は、中国人にはないんですよ。・・・日本だけ
  割合に、お金を汚いと感じるのではないでしょうか。(p39)


 ・今日も本読んでたら、「株の公開をするほど落ちぶれてはいない」とある
  ドイツ人がいったという一節を読みました。「上場するというのは、会社
  の身売りをすることだから」。ぼくも・・・自分のしていることについて
  いちいち人に釈明するのがイヤなんですね。(p54)


 ・自分にとって面白い仕事は何かを発見することが第一ですね。ただ二十歳
  やそこらで発見できるわけがないのだから、いろんな経験を積む必要が
  ありますね。(p71)


 ・昔の文献からいい言葉を探すというのは、私は今でもやっていますよ。・・・
  中国の成語辞典を最初から最後まで読み直しまして、いい言葉を探しますもの
  ね。・・・それをぜんぶ書き留めておきますし、・・・それを読むための時間
  も大切にしていますよ。(p158)


 ・ぼくは、仕事をするときに、先入観のある人を使わないんです。絶対に
  素人でやろうというところがありまして。・・・素人だったら、玄人の
  人と競争して勝つためには工夫をしなければならないから、結果として
  それが勝ちにつながるんだと思います。(p160)


お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ
邱 永漢 糸井 重里
PHP研究所 (2001/03/12)
おすすめ度の平均: 4.08
5 お金は引き寄せるものなんです
4 人生をよりよく生きるって
5 「お金」ということだけない本です

(評価:★★★★☆)88点


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