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「運を掴む―弱小の会社を世界一にした男の物語」横内 祐一郎

2005/07/01公開 更新
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運を掴む―弱小の会社を世界一にした男の物語


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

 私が本を評価する基準は、やはり得られる知恵、著者の経験、そして分かりやすさを大切にしています。著者がどのようにしてその知恵を得たのか、どういう過程を経て現在にいたっているかという経験を知ってはじめて、著者の知恵がすっと心の中に入ってくるのです。


 そういう意味でこの本は最高の一冊でしょう。著者がどのような経験を通じてこのような知恵を得たのか、著者の人生を一緒に歩きながら知ることができるのです。


 著者はギター製造会社を創業する前、農業に携わっており、清水秀治先生という方に出会っています。その先生が、著者に君は自分の人生で何を成し遂げるのかねと質問してくれたのです。その質問に、一念発起し、その後世界一となるギター製造会社を創業したのです。いまどきこういう先生には、なかなか出会えないでしょう。それが、この本を読めば出会えるのです。


・清水先生が、突然、こんなことをいいだした。「横内君、きみはいったい、この世の中に何をしに来たのかね」(p41)


 また、著者は経験もないのにギターをつくりはじめ、英語もできないのにアメリカにギターを売りに行きました。アメリカでは、そこで出会った人に英語を教えてもらい、少しずつ売り上げを増やしていきました。


 著者は努力をすれば、周囲の人は助けてくれる、また助けてくれなければ今の自分はないと、言います。


 思わず引き込まれ、姿勢を正して読んでいた一冊として、文句なく★5つとしました。


この本で私が共感した名言

・自力なんて、たかが知れている。 全部、他力からいただいたものなんだ・・・ただし、それは他力本願ということではない。自分がこうなりたい、という願望を持っていなければ、だめだ。(清水正一)(p130)


・世界一のギターをつくるには、世界一の人間にならなければならない。どこへ出しても「一流」として通用する人間集団にならなければならない。(p14)


・私たちは、次のような「私達の目標」を掲げた。
 一、私達は楽器会社として世界的な評価を確立する
 一、私達は最高水準の技術を追求する
 一、私達はお客様の要望を製品に生かす
 一、私達は積極的に経営に意見を述べ責任を果たす
 一、私達は感謝と奉仕と連帯の意識を持つ(p15)


・「横内さん、商売というのは、注文がいちばん大事なんだ。注文がなければ、いくらモノをつくったってだめだ。まず注文をとる。それを満たすために、モノをつくる。(p70)


・人生すべて同じことだよ。ひとつのことを心を込めてやりなさい。その延長線上に何百というものがつながっているんだ。ひとつ手応えのあるものをつかめば、その手応えが全部共通するんだ(清水秀治)(p78)


・たとえば、ひとりの部下を育てようと"思う"。毎日、育てるにはそうしたらよいかを"考える"。それを積み重ねていくうちに、その部下の長所は何だろうと"思う"ようになる。(p200)


・どの社員も同じように育てようとするから、うまくいかないのだ。理解力のある上の二割に、「こう育ってほしい」と全力で思い入れること。(p213)


・Cのレベルの人にBの仕事を、Bのレベルの人にAの仕事をやらせるように、社員にワンランク上の仕事を任せることで、Aのレベルの余剰人員を意識的につくりだし、商品開発や新分野の開拓にあたってもらった。(p220)


運を掴む―弱小の会社を世界一にした男の物語
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横内 祐一郎
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【私の評価】★★★★★(90点)



著者経歴

 横内 祐一郎・・昭和2年長野県生まれ。家業の農業に従事。。32歳で富士弦楽器製造(フジゲン)を創業し、専務取締役に就任。わずか20年足らずでアメリカのギブソンギターを追い越し、世界一のギターメーカーとなった。人間中心の経営を目ざしたフジゲン社長の物語。


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