(評価:★★★☆☆)76点
●私も東京で大学生をしている時代がありました。私自身はどちらかという
と、小さい頃から好奇心旺盛で、悪く言えば、身の程知らずだったのです。
それで、お金がないのでアルバイトに精を出し、東京にたくさんある高級
レストランに行きました。そしてお金がなくなるとアルバイトをするという
ことをしていたのです。
●その頃から、著者である斉須 政雄さんのコート・ドールは有名でしたが、
港区三田という場所の敷居が高かったのか訪れる機会はありませんでした。
この本でやっと本の上だけですが訪れることができたように思います。
●斉須 政雄さんのお話を聞いていると、イチローの話を聞いているような感覚
におそわれました。それは、外野の声はどうでもいいではないか、自分が
納得できればいい、というものです。
・日本に帰る二年ほど前、突然、なんでもできることが大切なのではない、
旨いの一点に総てを集約すればよいのだと気がついたのです。ふてぶてし
いと言えばそれまでですが、旨ければよいのだ、それが大前提だと体中が
感じたのでした。(p83)
●ある技術を極めた人の考えは似てくるようです。たとえば、ささいなこと
にも決して手を抜かない、常に考えて準備ができている、そこに妥協は
ないのです。
・簡単です。たったこれだけのことなので、初心者はあなどりがちです。
が、実はこんなものこそ曲者なんです。単純なだけにささいな手違いが
事を左右する。逃げがきかない。(p33)
●もう肩肘はらずにレストランに入れる年齢になりましたが、大学時代の
気持ちで東京のレストランを訪れたくなりました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・炒めるときに、ただ炒めるんじゃなくて、体積に見合った熱量を適度に
加えることが大切です。むやみに熱を加えてもうまくはいかない。恋愛
と同じです。(p16)
・あたり前の顔をしてすごいというのは、能く考えた結果だと思います。
料理も、もちろん、人間もです。(p40)
・お客に出す価格は、原価の三倍というのが通り相場です。(p73)
・いつも彼はこう言っていた。「なあ、マサオ、人がちやほやするものは
つまらないよ。それよりも、なんでもないものを立派にしてやろうよ。
下積みをひきあげてやろうや。なんにだっていいところはあるんだ」
(p124)
小学館
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コートドール(評価:★★★☆☆)76点
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