●明治から昭和にかけて17歳で養父によって両腕を切り落とされた大石順教
という女性がいました。
●両腕を失いながらも、羽はあっても手のない鳥が楽しそうに生活して
いるのを見て、自分も口があるではないかと気づき口に筆を取り、
字を書き始めます。
・無いことに絶望せず,無い中から出来るものを見出し,小さい実績を
積み重ねること。この誠実な取り組みは,やがて"無いから出来る",
"困ることのない自在心"に成熟していくのである。(p100)
●その後、彼女は結婚、出産、離婚そして出家します。そして、口で絵を
描きながら、障害者自立のための活動を始めます。
・順教尼は体の不自由な人たちに・・・"心の障害者になってはならない"
と厳しく戒められていたのである。(p28)
●「生きる」ということについて、考えさせられる一冊でした。
・「でも,先生,悲しいことは悲しいです。辛いことは正直いって
辛いです」
「それは,誰だって同じことだよ。でも,それをどう生きるかが人間
じゃあないかい」(p64)
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・今、目の前にいる方に「ありがとう」が心の底から言えること。
そういうことが、何でもないことだが、もっとも深い、大きな
人生勉強ではないかということを、身にしみて教えられた。
(p200)
・生まれた者は、死に向かって歩いているのであるが、死はいつ訪れる
ものであるかを誰も知らない。だから、人生は死ぬことではなく、死
の淵に至る瞬間まで生きることなのである。(p107)
「無いから出来る―大石順教尼の生涯」石川洋、致知出版社(2003/08)¥1,680
(評価:★★★★☆)84点
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