「会社にお金が残らない本当の理由」岡本吏郎

【私の評価】★★★☆☆（76点）

要約と感想レビュー

　中小企業経営者向けの一冊で、本来なら★★★★☆のところですが、私、サラリーマンのため★★★☆☆となりました。

　岡本さんの楽しいところは、ちょっと意外な例で読む人にインパクトを与えてくれるところだと思います。たとえば、日本の税金のシステムについては、ブタがでてきます。

・税金を払わないということ。これも助成金をもらうことと何ら変わりません。しかし、この日本では相当数の人が税金を払っていません。この日本では最初からシステムに優しくしてもらっている人たちがいるのです。そして、過去の私もそうでした。しかし、それは養豚場で飼われているブタと変わりません。（ｐ52）

　ものの本質を、面白い例をあげながら、ちょっと毒舌スパイスを加えるのが岡本さんらしさです。安売りしてはいけないことを、努力をしていないとバッサリ切っています。

・なぜ、私たちはすぐに安売りを考えてしまうのでしょうか？・・・努力する必要がないから・・・。これが本当の理由でしょう。（ｐ141）

　中小企業には大企業の考え方、ルールはあまり通用しないようです。悩める中小企業経営者のかたには、面白く読める一冊だと思います。

この本で私が共感した名言

・役員報酬とは何でしょうか？あれは、社長の借受金です。（ｐ35）

・セコい節約は経営者の無能の印ですから気をつけましょう。（ｐ86）

・本当の「かっぱらい」は社会保険・・・意外にも社会保険の税率を知っている人は少ないようです。簡単に言ってしまうと、もらっている給料の22.67％（2003年12月現在）です。（ｐ121）

【私の評価】★★★☆☆（76点）

著者経歴

　岡本吏郎（おかもと　しろう）・・・1961年新潟県生まれ。マーケティング・コンサルタント。税理士。80%の中小企業が赤字という中で、顧問先のほとんどが黒字。特に、独自の戦略的財務の指導とマーケティングコンサルを組み合わせた指導には定評がある

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