小学館 (2002/06)
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(評価:不能)
●山田方谷とは、幕末、備中松山藩(現在の岡山県高梁市)において収入の5倍の借金があったものを8年で同額の貯金を作ってしまった人です。年収500万円の人であれば、借金2500万円を8年で2500万円の貯蓄にしてしまったというのですからすごいですね。
●その手法は、借金の長期返済化(債券放棄ではない)、家計の公開、支出削減、産物ブランド化、鉄への投資、米の備蓄、軍隊の整備などです。
●しかし、この「理財論」にはその手法はほとんど書いてありません。書いてあるのは「誠」、つまり法を正しくし、私利私欲をやめ、ウソをつかない、ということだけです。あまりに精神論的なので★にしましたが、読み終わって、はたと考え込みました。
●確かに精神論だけで参考にならないように見えますが、実は手法というものは、その時代の状況で変わるものです。一方、自然の王道、道理道徳を明確にし、実行していくということは、時代が変わっても全く変わらない真理なわけです。
●その真理の価値を自分が理解していないだけではないのか?そういう疑問が頭をもたげました。読む人のレベルが高くないとこの本の価値は分らないかもしれません。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・大きな信頼を守るには、小さな信頼を失う覚悟であたらなければ、物事は解決しません。(方谷)(p122)
<高塚猛さんは、本当に大切なことを正しいことよりも優先させようと言っています。地獄への道は正義の小石で敷き詰められていると言った人もいます。これらが言いたいことは、傾いた組織には正しい理屈があるのですが、決してその目先の理屈に惑わされてはならない。本当の目的を見失ってはならないということでしょう。>
・国家の経営にあたり、国家全体を正しく導いてゆける者は、胆識を持ち、大所高所に立った判断をするものだ。小さな局面での理屈や、目先の判断に惑わされる事はない。(方谷)(p35)
・スイスは他国から攻撃された場合に備えて、日本では考えられない位の準備をしています。各家庭には、政府から「民間防衛」という本が配布されています。(p140)
<スイスの山を歩いていると「パン、パン」という音が聞こえます。これは多分射撃訓練です。実はスイスでは成人男性に銃と弾が配布されていて、年1回射撃訓練をしなくてはならないのです。だから、家庭に一台の銃があるのです。過去に隣国から攻められ苦しみを味わった国の知恵なのでしょうが、スイス人から平和のために軍を持たないなどという考えの国はどのように見えるのでしょうか>
・<利は義の和なり>、即ち正しく利益を追求してゆけば、窮極的には、<義>の哲学の到達点と同じ所に、<利>の追求は到達すると言わねばならない(方谷)(p153)
<いろいろな事業を立ち上げて、どうしても成功しなかった人が、それまでの金儲けの視点から、社会のためにやる、お役に立つと考えたとたんに成功したという話は数多くあります。この法則は、あらゆる組織に適用できるもののようです>
「財政破綻を救う山田方谷「理財論」」深沢 賢治、小学館(2002/06)¥770
(評価:不能)
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