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「人間はなぜ戦争をやめられないのか」日下 公人

2004/06/30公開 更新
本のソムリエ
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【私の評価】★★★☆☆(74点)


要約と感想レビュー

●戦争は設計するものである、
 というのが本書の主張です。


 戦争とは国際政治の手段であると。


 過去の日本の戦略のなさを、
 これでもか、これでもかと教えていただけるので、
 いやな気持ちになります。


 どうせなら、これからの日本の戦略を
 提言してほしかったのですが、
 書いたら戦略になりませんね。


●サラリーマンの立場からいうと、
 あまりに話が大きいので、
 国と国の戦いの教訓から、
 企業と企業の戦いの教訓を得ようと考えました。

  
 (企業の)競争は設計するものである、と考えれば、
 それこそ企業経営、マネジメントに活用できそうです。


この本で私が共感した名言

・平和に浸っている時のほうが事件が起きやすい。それは油断しているからだ。平和主義者が両方にいるほうが危ない。両方本気のほうが喧嘩にならない。


<確かに冷戦といわれる米国とロシアの時代は大きな戦争はありませんでした>


・陸軍は、もともとアメリカと戦争する気など、まったくなかった・・・そこで海軍に、アメリカとの戦争はできませんと言ってくれと頼んだ。ところが、及川古志郎海軍大臣や岡敬純軍務局長は、「膨大な予算をずっともらって、今さら弱気なことは言えない」と断ってしまった。・・・だから海軍は「総理一任」ということにした。・・・国より自分が大事という"ろくでなし"がたまたま集まった、と言ったほうが簡単だ。(p83)


<今でもありえそうな話なのが怖いですね。事実はわかりませんが、そこのところ調べてみたいと思います。>


・山本五十六は本気で戦争をしていない。陸軍と戦争している。陸軍に責任転嫁するために、(ガダルカナル島への)艦砲射撃をしてこいというわけだ。(p107)


<これもまた、日本の組織ではありそうな話で怖いです。自分の部門だけがよければよい。そういえば、カルロス・ゴーンは日産でクロスファンクショナルチームという組織横断的なチームを作りました。縦割りの悪い点を打破しようとしたわけですね>


・精神的に高潔なところを見せれば、戦争は負けてもいいというわけだ。部下を殺せば殺すほどいい指揮官で、退却命令は絶対に出してはいけない。突撃命令を出しておけば負けてもよい。そういう思想だった。(p166)


<残業して頑張っているところを見せれば、会社は負けても関係ない。明日の朝までに書類を作っておけと命令しておけば、業績はあまり関係ない。なんか似てますね>


・大損害は、現場無視の命令から起こる:沖縄も持久戦で戦った・・・ところが、必死で持久戦をしているのに、大本営は「敵主力に対し攻勢をとられんことを熱望する」という電報を繰り返し打ってくる。


<あまりに現場を無視した指示については、無視することも大切なのかもしれません。でも、無視する人は出世できない。どうすればいいんでしょう>


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★☆☆(74点)



著者経歴

 日下 公人(くさか きみんど)・・・1930年生まれ。日本長期信用銀行取締役を経て、ソフト化経済センター専務理事。多摩大学教授、東京財団会長などを歴任。


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