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「日本国の研究」猪瀬直樹

2002/08/27公開 更新
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日本国の研究 (文春文庫)


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

財投の大きな性格は、巨大なる社会主義金融である。第二の予算として年間五十兆円近くが運用され、過去の累積を含めると四百五十兆円にもなる。これだけの巨額の資金が金融手段として使われている先進国はどこにもない。国家が二つの財政を持つこと、四百兆円もの巨大な社会主義金融を行うことを、即刻、この制度は整理されなければならない(轉法輪)


■日本国の財政赤字五百兆円、
 国民一人あたり四百万円の借金、
 この国はどうなるんでしょう。


 税金として回収されるか、
 インフレで回収されるのであれば、
 お金も人も国外逃亡でもするしかありません。


■実は日本は、戦前から
 役人による役人のための
 国家なのです。


 なぜなら役人が法律を作り、
 役人が行政で市民をコントロールし、
 役人が税金を集め、銀行さえも
 コントロールしている。


 裁判所や警察も国家公務員ですから
 役人が日本のすべてを支配し、
 コントロールしている。
 そうしたことを教えてくれる一冊です。


この本で私が共感した名言

・大蔵省は率先して「ご存知ですか。国の抱える大きな赤字」というパンフレットをつくり、JR主要駅のみどりの窓口などにおいている・・・国債残高が241兆円に膨らんでいる・・・危機を煽っておいて、だから消費税5%を予定通り実施しますよ、との国民洗脳作戦(p16)


・水の友は民間企業である。水資源協会は財団法人である・・・水の友は・・売上げ80億円、社員200人、そのほか臨時職員600人・・・臨時職員は、水資公団の現地施設の食堂の賄いや堤防の草刈りなどの仕事をしている・・・公団設置法では子会社はつくれない・・・水資公団に厚生会がある・・・職員の互助会である。そこが株主になった・・・実質OB集団がオーナーの会社になった・・・200人の社員のうち5割強が公団OBである(p74)


・道路施設協会という財団法人がある・・・道路公団総裁を務めたあとには道路施設協会理事長のポストが待っている・・・年間売上は730億円にのぼる。社員は800人。経常利益は100億円・・・この道路施設協会が全国の高速道路のSAやPAを仕切っているのだ(p102)


・運輸省令にはさまざまあるが、以上の法律に定められている運行管理者の研修を義務付けている・・・そのどこか、は結局、指定されているのだ。それが運輸省の認可法人自動車事故対策センターである・・・業務収入が9億円しかないのである。つまり収入のほとんど、65億円が国庫補助金でまかなわれているのだ・・・ところがおかしなことに自動車事故対策センターの職員は450人もいる・・・450人で9億しか稼がない。しかも、なくてもよいような仕事である(p203)


・競艇の年間売上げは約2兆円である。うち75%はファンに還流される。のこりの25%のうち3.3%、およそ660億円が船舶振興会に入る仕組みである・・・船舶振興会はたまたま笹川良一が財団を仕切っていて、特殊法人になった・・・通産省所管の特殊法人日本自転車振興会の場合には・・・競輪の売上げは1兆6千億円もある。うち自転車振興会の取り分は3.7%、600億円・・・公営ギャンブルの胴元になり、独自のヘソクリを持ちたいのである(p221)


・通産省事務次官を退任すると、天下りポストが決まるまでの期間、産業研究所の顧問となる。自転車振興会が・・・77年度に4億円、78年度に6億円と、ふつうの財団よりひとケタ多い補助金が配付されている・・・これだけの規模でありながら、役員9人、職員14人というのは不自然である(p227)


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猪瀬 直樹
文藝春秋
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【私の評価】★★★★★(90点)



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